摂食障害(拒食症)の活動制限の基準
投稿摂食障害
2026.04.05
養護教諭の先生方、PCに表を貼り付けてください
新学期が始まり、これから怒涛の健康診断。お忙しい時期ですから、ポイントを改めてお示しします。
小学生ならば体重増加がわずかで、身長が停滞していたら
中学生なら同様に不自然な身長と体重の停滞あるいは減少が見られたら
ん??とチェックしておきましょう
担任の先生方には
給食の食べ方に気になる生徒がいないか
食べているようでも非常に時間をかけるようになった とか
主食や揚げ物を食べないでいる など 気になる生徒がいないか
保護者から食事の量や内容について あるいは 過度のエネルギー消費活動 について相談がないか
などを伺っておきましょう
上記の通り、養護教諭の先生方大変多忙な時期ですから(いつも多忙ですが)、気になる児童生徒がいましたら是非スクールカウンセラーにつないでください。
さて
残念ながら、気が付いた時にはかなりの体重低下があった場合など、早急に受診しなければならないわけですが、
同時に学校では受診前であっても、ガイドラインに基づいて児童生徒の活動の制限をすべきでしょう。このことについてはもちろん保護者に伝える必要がありますが、たくさん活動してエネルギー消費にこだわっている生徒自身や、体重を減らすことが部活動とかかわっていて了解を得にくい場合、こうした介入を大げさだと拒否を示される場合もないわけではありません。
そのため、学校側としては明確な基準を押さえておく必要があるでしょう。
さまざまな本やパンフレット、資料がありますが、かえって何を参考とされるべきか迷うことも少なくないと思われます。
そこでここではさまざまなところで引用されている、以下を貼っておきます
「厚生労働省難治性疾患克服研究事業 調査研究班による
神経性食欲不振症のプライマリケアのためのガイドライン(2007)」
<標準体重の計算方法>
15歳以上は「平田法」
15歳以下は「学校保健統計調査報告書」などの実測値から計算します
平田法:身長160cm以上→(身長-100)×0.9
身長150~160cm→(身長-150)×0.4 + 50
身長150cm以下→(身長-100)
*慶応大学病院ホームページ KOMPAS に重症度と合わせた一覧表があります
ぜひアクセスして保管してください
上記ガイドライン、KOMPAS,そのほか 鈴木真理先生のホームページで示している基準 などから引用、まとめてみました
標準体重の55%未満:入院が絶対適応
標準体重の55~65%:入院による栄養療法が必要
標準体重の65~70%:自宅療養
標準体重の70~75%:制限付き就学就労
標準体重の75%以上:就学就労の許可
*65~70%は「通常の就学就労は避けるべき」ただし「敢えて」就学就労を希望する場合は
通学時の付き添いや送迎、出席時間の短縮、隔日通学、保健室での捕食、体育の禁止 などの対応を必要とする。
*夏季には60%でも、冬季は70%で入院基準とするのが妥当
しばしば ご本人のみならず、ご家族もこうした活動の制限には抵抗、難色を示され、学業を受ける権利との兼ね合いで悩ましいところがあると思いますが、このようなガイドラインがあることを示し、なにより死亡率の高い(10%前後)疾患であるということを念頭に置いてゆるぎなく確信をもってお話していきましょう。
AIに 制限型の摂食障害患者の死亡時のBMIを尋ねたところ、
研究によれば 15以下特に13~14を下回ると生命維持が困難になる危険が増大
日本のデータとしては、BMI 10~13付近での死亡例が報告されている とのこと。
それから
受診・入院の基準は体重だけではありません。
その理由については以下の通りです(文責:松本)
基準値の考え方の注意
〇「プライマリケア」とあるようにこれは精神科的な観点からとは異なる,あくまで身体的な基準です。
精神科以外が見ていくときの対応指針と考えてください。
精神科的な観点を含んだ入院基準や行動制限の基準は、必ずしも身体的な理由のみのものとは合致せず、この基準に満たない場合でもより厳密に行動制限をすることがあります。
たとえば体重が標準体重以上だったとしても、絶食に近い状態が数日続いているというような場合は、緊急の介入が必要です。
治療は単に体重を増やしていくことで終わりではありません
第一には 飢餓による死亡に至ることの回避(10%前後の死亡率)ですが
*長期の飢餓によって生じる特殊な「飢餓症候群」の影響から脱すること
*再栄養症候群に関するコントロール
*過食に転じない、あるいは大食期を安全にやりすごす工夫
*食ばかりを考えずにすごせるような生活づくり
これらを共に話し合うことを通して、自分を苦しめてしまうとらわれから脱し、
不安や恐怖への対処を身に着け、安心をとりもどしたおだやかな時間を過ごせるようになることです。
「こころ」にいっしょに取り組むために、まずは<特殊な飢餓症候群>から脱出しなければなりません。そのために栄養、熱量をとるのです。
