学校における児童生徒間の「性暴力」
心理・精神科臨床
2025.07.13
対応支援ハンドブック(山形県) 最重要ポイント
令和7年3月 発行元は<山形県防災くらし安心部・消費生活・地域安全課>となっておりますが
山形県被害者支援センターのホームページからダウンロードすることができます。
最近は、安全なはずの場所で、安心なはずのおとなからうける性暴力が衝撃的なニュースとなって報じられました。
このハンドブックは、児童生徒間の性暴力について焦点を当てていますが、そのベースにある重要なことがらは同じです。しかし、児童生徒同士の場合、保護者への対応や、教育を受ける権利をどう考えるか、また「子ども」にとって性的な行動の意味への知識の有無 など適切な対応に結び付くには様々なハードルがあります。こうしたハードルが高くなってしまう要因としては
「ひとによって考えや感覚が異なる」ため
さまざまな偏見や文化的な歪みの中にいるため
問題を早く収束させたいため・過小評価をしてしまいたくなるため
被害を受けた側の言動の背景への知識の無理解のため
などが考えられます
このハンドブックは数々の事案に対応されてきたスタッフのかたが、なかなか浸透しない重要なことをあらためて強く訴えたい、と力のこもったものになっています。
ぜひ学校、学年に1冊、ファイリングして緊急時の対応指針として保管してください。
SCはもちろんひとり一冊。
そして、単にいざというときの行動のマニュアルにするだけでなく、読んでいただき、「これはどういうこと?」「どうしてこうしてはいけないの?」などむしろ率直に疑問を出していただき、専門職としてそれにこたえるという機会も持っていくようにしましょう、
もし答えられないとしたらそこを勉強すればいいですよね。
とにかく
〇事案があったら(生徒から相談されたら)担任などが自己判断で聞き取りをしないでください
〇管理職と相談のうえ、SCや、べにサポやまがた まで至急ご連絡をしてください。
〇その場で状況から、上記ができないままに相談を聞くことになった場合は
*いつ *どこで *だれが(だれに) *なにを *どうしたか について
子どもが表現した通りの言葉を書きとります。
省略したり言い換えたことばで記録しないでください。
(とても大切なことだから書きながら聞かせてね と断ったほうがいいでしょう。)
上記以外のことは質問しないということが原則です。
関心をもって、ねぎらいの心をもって、耳を傾ける、おちついた、あたたかい声と表情が大切でしょう。
ハンドブック4ページに以下の注意があります。そのまま引用します。
とてもとても重要でしかしなかなか理解していただきにくいことのように思います。
*性的虐待・被害のほのめかし・ケガがあれば、詳細を聞かず、迷わず通報通告を!
→ 司法面接を行うことがあります。
誘導的な聴き取りや繰り返し同じ話を聞くことは、記憶の汚染やトラウマ体験を深めることにつながることがあります。
「記憶の汚染」解説はハンドブックで!
この最初の「やりとり」はのちの事案の扱い方、扱われ方に重大な影響をもたらします。
被害側の子どもを守り、傷つきを重ねることを予防するために、また加害側の子どもを適切に”支援”するためにも。すぐに専門家の助言を仰いでください。
このことの取り扱いは、だれかの個人的な信念や道徳観などをもとに対応するべきものではありません。
数多くの研究・調査から導き出されている原則が存在するのですから、そのことを尊重しましょう、というある意味ごく当然のことなのです。
性的なことがらにはなかなかそれが取り入れられにくい難しさが存在することを忘れずに。
問題:
?対面での謝罪の機会は望ましいですか?必要ですか?
?事案のあと、被害生徒が加害生徒と相変わらず仲良くしているのは気にしてないからですか?
性暴力を巡っては・・・
NMさんの「暴力は振るっていないのに・・」という主旨の発言をどう思いますか?
→わたしは この発言からあの方はJ氏から性暴力を受けていたのでは? 「自分がうけたものはそんな大したものじゃない」と自分の傷つきを否認・合理化しているのでは?
と思ったりします。
性暴力のベースは相手の支配です。Nさんに必要なのは同調してくれる弁護士じゃなくて、いわゆるカウンセラーじゃないのか…。
ちなみに性器露出も全裸で驚かせる行為も「性暴力」です。それはなぜか?
だいぶ以前の海外論文・・見つかったらご紹介します。